フィリピンのスモールビジネス観察記⑧お店の行方。サリサリストアでタピオカミルクティー屋

フィリピンのスモールビジネス観察記⑧お店の行方。サリサリストアでタピオカミルクティー屋

フィリピン、マニラのマカティに住んでいるうさみ(@usamilife)です!

前回のあらすじ、

ホープくん

ライバル店の出現で売上はガタ落ち。

僕のやる気もガタ落ち。

オープンから1ヶ月のサリサリストアのタピオカミルクティー屋の様子は前回の記事で!

フィリピンのスモールビジネス観察記⑦ライバル店の出現。サリサリストアでタピオカミルクティー屋フィリピンのスモールビジネス観察記⑦ライバル店の出現。サリサリストアでタピオカミルクティー屋

さて、このサリサリストアでタピオカミルクティー屋も今回で最終回を迎えます。

  • お店の行方は?
  • フィリピンでのビジネスの展望は?

この連載も最終回。サリサリストアのタピオカミルクティー屋の運命はいかに!?

フィリピン人の悪いとこ

フィリピンで闘鶏場の客層

基本、◯◯人は〜とはあんまり言いたくなくって、人として見たいと思っているうさみ。

今回はあえて◯◯人は、という表現が多くなってます。すみません。

ライバル店の出現は、売上に大きな打撃を与えただけではなく、ホープくんのやる気も根こそぎ奪い去っていきました。

おそらく、”何かが起こったらどうなるか”という想像力が、乏しかったことが原因の一つ。

うさみはもともとがネガティブシンキングなので、いろんなネガティブなパターンをめっちゃ考えます。

  • 最初から全く売れなかったら
  • 常連さんができなかったら
  • ライバル店ができたら
  • 周りの住人に嫌がらせされたら
  • お金貸してって言われたら
  • ヤクザみたいな人が来たら

などなど。ありとあらゆるシチュエーションを想像力を使って考えて、勝手に落ち込んでいくほど。

※勝手に落ち込むのはよくありません。

ぴよこ

そんなの、起こってから考えればいいじゃん

と思う人もいるかも知れませんが、起こる前にできるだけ対処方法を考えておくことが安心できる方法でもあります。

ビジネスをする上で、予防と対策は大事なことだとも思っています。

なので、今回も”ライバル店による売上低下”もうさみの想定のうちでした。

ですが、ホープくんにとったらそうではありません

ポジティブでそういうことは一切考えていなかったホープくん。

お店の状況がよくて、お客さんがたくさん来ている時には

ホープくん

もっといろんなメニューを増やさないと!

お客さんができるだけ待たないようにスタッフを増やしたほうがいいかな!

と翻弄していました。

ただただ目の前のことで本当にいっぱいいっぱい

目の前しか見ていないことはもちろん裏目にもでます。

状況が悪くなってしまった今も目の前で起こっている”お客さんがこない、売上が下がった”という事実でいっぱいいっぱい。

うさみ

こういうのフィリピン人の特徴でよく挙げられる、その時が幸せだったらOK!という考え方がある、というところにつながってると思います。

もうただただ、日本人より断然ポジティブなんかなっという気もします。

日本人が真面目で責任感の強い人が多いから、もっと気楽になってもいいんじゃないかな?という姿勢もある意味学べます。

だけど、嫌なことが起こった時の思考も日本の多くの人と違います。

例えば今回のホープくん。

どういうふうにしたかというと

  • うさみへの報告は良いことだけ
  • 自分は頑張っているというアピール
  • お店を開けてない日は話題を避ける
  • うさみが突っつくと言い訳三昧

という感じ。

文字にして書くと淡々としてるけれど感情のフレがすごくって、ネガティブの奈落の底に真っ逆さまに落ちていくから、引き上げるのが大変…。

もうメンヘラか!って言いたくなるくらい。

フィリピン人は嫌なことがあると、すぐに逃げ出してしまう印象。

  • 恋人と別れて仕事を休んだ
  • モバイルレジェンド(スマホゲーム)で負けて歩道橋から飛び降りた

などなど、これ、実際にあった出来事です。

ちょっと感覚が違います。

いや、気持ちはわかるけど落ち込み方が半端ない。

うさみ

実はフィリピンって鬱が多いんだよ。

残った在庫をどうするか

タピオカミルクティーを作る作業台

もちろんホープくんの誤魔化しなんて簡単に見抜くことができます。

毎日のように報告があったのがぱったりとなくなるんですから。わかりやすすぎる

ちなみに会ってこういう話をしないと、お互いに感情的になって喧嘩になるので会って打ち合わせ。

何度も喧嘩をする中でだいぶホープくんをどう、マネジメントするのか学んだわ…。

突っついても、言い訳で終わってしまうので

うさみ

売れないんだったら、辞めてしまうか、このまま続けるのか方向性を考えないと時間がもったいないだけだよ

とぶった切ってみることに。

ありがたいことに、今ここでタピオカミルクティー屋を辞めてしまっても、初期投資を考えるとトントンで終わることができます。

なので、売れないのに続けるほうが機会損失。それなら次のことを考えたほうが良い。

ホープくん

そうだね。僕も次の手段は考えてるよ。

あら、意外!なんと次の手段も考えていたんだとか!

どうするの?

ホープくん

今ある材料はセットにしてFacebookで売ろうと思うんだ。

でた、フィリピンの定番”Facebook”

Facebook

Facebookはフィリピンではものすごいシェアを得ているSNSです。

コンタクトはもちろん、買い物にまでありとあらゆる面でFacebookは使われています。

なんて言ったって、Facebookを世界で一番使っているのはフィリピン。

驚きの使用頻度なんです。

そんなFacebookでホープくんは次の手を考えているとのこと。

ホープくん

今ある在庫をセットにして、タピオカミルクティーオープンセットにして販売しようと思うんだ

実は、タピオカミルクティー屋をオープンしてすぐにホープくんの知り合いからも

「フランチャイズしてよ!」

という話もありました。

こういうことからもわかるとおり、今は「タピオカミルクティー屋をオープンしたいけど、どうすればいいのかわからない!」という需要が一定数あるよう。

なので、このFacebookで販売するというアイディアはなかなか可能性のあるプランに感じました。

少なくとも、今、サリサリストアでタピオカミルクティー屋を続けているよりも早く大きく在庫をさばくことができそう。

もうマニラはタピオカミルクティー屋は飽和状態。

人気は人気だけど、雨季に入って爆発的なトレンドが少しずつ下がってきているような雰囲気です。

それなら売り抜けてしまって別のことを始めるほうがきっと将来につながるはず。

だって、このサリサリストアでタピオカミルクティー屋をすることで

  • お客さんからお金をもらう
  • 売れたら、利益になる
  • 収支バランスを考える
  • 在庫状況を把握する
  • 原価計算をする
  • PDCAを考える

という、ビジネスの基礎的なことは十分に学べたはず。

この経験はきっと将来につながって、次のチャンスへの鍵になることでしょう。

うさみ

いいアイデアだね!Facebookでやり取り大変だと思うけど頑張って!

それから…

タピオカミルクティー屋の外観

この後のFacebookでの販売はうさみは一時帰国をしたこともあり、ほぼ1ヶ月ノータッチ。

完全にホープくん任せでどうなっているのかも知りません。

あなたはどうなったと思いますか?

  • Facebookで売れた?

それとも

  • Facebookでは売れなかった?

正解は…

うさみも、正解をつい一昨日まで知りませんでした。

一昨日、一時帰国からフィリピンに戻ってきて久々にブラカン州の家へ行ってホープくんへ会ってきました。

そして、正解を見てきました。

予想はしましたか?

では、正解を言います。

正解は…

 

そもそもにFacebookでの販売をまだしていなかった

 

でした。

もう、めっちゃガッカリ(´・ω・`)

本当にそのとおりだと思います。

遠隔でのアドバイスや後ろ盾になるのはなかなかの至難の技。

こちらが一生懸命、「こうだよ!」「こうすればいいんだよ!」とアドバイスをしたり、近道を教えてもなかなか実行にうつしてもらうことができません。

自分で気づくことができるようにしても、わかってもらえるのはその一瞬だけだったり。

一昨日、ホープくんにあった時に

うさみ

どうするの、これ?

と聞くと、「明日する」と言っていたホープくん。

今日が、その明日なんだけど。

ほんとにしたのかな?

この後は突っ込まずにホープくんが自主的に行動を起こすのを待ってみようと思います。

ホープくんがビジネスを知るために始めたこと。

うさみが1〜10まで言っていると、ホープくんのためにはならないから。

【学び】フィリピンでビジネスをするということ

ディビソリアのミルクティー

うさみは今回、ホープくんの見守りながらこのビジネスを見ていました。

うさみの所感では

  • フィリピンでどういったビジネスでもやり始めるのは簡単
  • 思っている以上に物は売れるし、消費欲がものすごい
  • だけど、フィリピン人のマネジメントが超難関
  • ご近所から恨みをかわないのも、かなり重要
  • なんなら、行政とのやり取りや法律も難関
  • フィリピンでビジネスしてる人はすごい

というのがうさみの学びです。

フィリピンでは新しいもの好きという傾向からか、ほんとうに消費欲が強いです。

なので売るのは、物やサービス次第ではわりと簡単だと思います。

まだまだ不便なことがたくさんあるのでフィリピンにはビジネスチャンスはあっちこっちに落ちています。

もう、街を歩けば10秒に1回はアイディアが思い浮かぶほど!

だけど、立ちはだかる壁もあります。

特にフィリピンでビジネスをする場合、マネジメントとご近所、法律といった、人とルールの付き合い方がとても難しいんだと思います。

外国だということもあるけれど、日本の感覚では絶対にやっていけないレベル

だけど、これをクリアすることさえできれば…という感覚もあります。

ともかく、何を言いたいかと言うと…

フィリピンでビジネスをするということは一筋縄ではいきません。

少なくともホープくんを見守っていた(勝手に口うるさくしていた)うさみはそう思います。

 

長い長い8回もの連載で続けてきたサリサリストアのタピオカミルクティー屋のお話はこれで一旦押しまい。

長い間お付き合いいただきありがとうございました!

また続報があれば番外編でブログにしていきます。

これからもうさみライフをよろしくお願いします。