フィリピン、セブ島で語学留学中のうさみ(@usamilife)です。
フィリピン人と、お金の関係についての話は切っても切り離せない話。
先日もTwitterでこんなツイートが。
フィリピン人男性にお金貸してって言われた件について。迷った挙句、きっぱりはっきりと断ったら翌日からあからさまに冷たくなった。以上。 https://t.co/bbXuWXeB4w
— aki 子連れ海外移住🌏🇵🇭 (@akiinph) January 15, 2020
ほんと、「お金貸して」問題はフィリピンあるある。
うさみも何度も経験あります。何度経験しても気分が良いものではありません。
関連記事>>フィリピン人は簡単にお金を借金するって本当?回収方法と断り方。経験者の対処法
うさみ
今回はなぜ、フィリピン人がこんなにも簡単に「お金を貸して」と言えるのか、フィリピン人のお金の考えについて紹介していきます。
あくまでもうさみの経験に基づく個人的な考えなので、「みんながこう!」というわけではありません。あくまでも参考として読んでくださいね!
とばし読みはこちら
フィリピン人が「お金を貸して」と簡単に言える理由
フィリピン人が「お金を貸して」と簡単に言える理由は、一言で言うと”文化の違い”です。
でも、その文化の違いも紐解いていくと宗教や育ち方の違いに直結していきます。
うさみはフィリピン人のお金の考え方は
- キリスト教の富の再分配の教え
- 社会保障制度のなさ
- 貧困問題
この3つの話が大きく関係していると考えています。
1.キリスト教の富の再分配の教え
最も根深いだろうものが、キリスト教の教えです。
世界人口は約77億人の現在でキリスト教の信仰をしている人は約20億人です。
キリスト教は世界人口の約33%、世界で最も多くの人が信仰している宗教です。
この、キリスト教の教えの中に、富の再分配にという教えがあります。これが、お金に対する考え方に最も影響しているだろうである部分。
《レビ記》19章18節
「あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない」《マタイによる福音書》22:39
「イエスは、神を愛することとともに、この隣人への愛こそもっともたいせつな戒めだと教えた」
という記載とともにに
新約聖書は所有物を売り払い、貧しい者に金を与えよとある。
※うさみ、あまり宗教に詳しくありません。間違っていたらすみません。
キリスト教だけではなく、ユダヤ教、イスラム教でもそうなのですが【人が得たものはすべて、神から与えられたもの=恵み】という考えがあります。
例えば、
- 美味しいご飯が食べられたこと
- テストで良い点が採れたこと
- 仕事がうまくいったこと
など、全部神様が与えてくれた恵みと考えたりします。
ただ、フィリピンではこの考えを拡大解釈されているような気もします。
富を持つものが持たないものに与える、を通り越して貧しいものは富を持つものからもらうのが当たり前、というように思っている人も多い気も…。
とにかく、富を持つものは貧しいものを施すのが当たり前。
日本は無宗教だという人が多いですがどちらかと言うと、仏教や神道がベースの考えになっている人が多いと思っています。
「如来」「菩薩」「明王」「天部」「垂迹」などたくさんの仏様がいる仏教。八百万、千万の神様がいる神道。
また、「富は人間的な汗と努力の産物だ」「働くものくべからず」という考えが強い日本の人々。
考え方と信じ方が違うように感じます。
2.社会保障制度のなさ
日本では生活に困窮すると、
- 生活保護
- 年金
などといった社会保障制度があります。
ですが、フィリピンでは日本の年金や生活保護に当たるような仕組みがありません。
ぴよこ
そもそもに銀行口座所有率は約20%のフィリピン。貯金している人も少ないでしょう。
なのでフィリピンでは親にとって、子供が年金のようなものです。
実際、うさみの友達でも
- 給料の半分を親に渡している
- 給料のほとんどを家に渡している
という人がほとんどです。
自分の生活が豊かになるよりも、家族が豊かになるのが幸せ。
お金よりも家族が笑顔で生活できるようにするのが自分の喜び。
と考えている人が多く、自己犠牲の精神がとても強いです。
また、それが1人2人ではなく、自分以外の誰でもみんながやっていることので、自分もそうするのが当たり前だという考えが蔓延しています。
むしろ家族のために働かないと親不孝もの、なんて酷いやつなんだ!と家族を大切にしている彼らにとって耐え難いような批判の言葉を浴びせられてしまうのです。
フィリピンの20代の子と話をすると、将来の夢は
- 家族のために家を建てること
- 家族が豊かになること
と答える人がとても多いです。自分の幸せは二の次感がすごい。
家族を大切にしないとと生きていけない、という共依存のような側面もあります。
3.貧困問題
多くの場合、日本人が出会うフィリピン人は貧困層〜中間層のフィリピン人です。
この層のフィリピン人は日本人よりお金持ちではありません。
- KTVの嬢
- 語学学校の先生
- ガードのお兄さん
- ジプニードライバーのおじさん
だいたい平均月収は3万円くらいの人たちです。多くても10万円くらいかな。KTVの嬢はもっともらってる可能性もあるけど出身は富裕層ではないことがほとんどです。
(ちなみにフィリピンの富裕層はびっくりするくらい裕福なので例外。大半の日本人よりお金持ちです。)
そんな平均月収は3万円くらいの人たちから見ると、日本人はとってもお金持ちに見えます。
たとえ日本で手取り15万円しかもらっていなくって生活がカツカツだ…と嘆いていても、平均月収3万円彼らからすると、「15万円も稼いでいるなんてあなたは金持ちだわ!」と言われます。
フィリピン人が日本人にお金を貸してという理由
- キリスト教の富の再分配の教え
- 社会保障制度のなさ
- 貧困問題
この3つのことから、
- 富を持っているものは貧しいものに与えるのが普通で
- 自分を犠牲にしてでも、助けるのが当たり前で
- 日本人はお金をたくさん持っているから
裕福なはずの日本人から、貧しいもの(困っている自分)に与えるのはごくごく当たり前のこと
というふうに考える人が多いのでは?と思っています。
しかも、フィリピンにフィリピン人の家族や親族がいない人なんて、後腐れもなくて格好の餌食。
ちょっと仲良くなると「お金貸して」と言ってくる人もいます。
『いけたらラッキー』程度の気軽さで言ってきます。
そのあとしばらく、関係が立たれてもしばらくしたら何事もなかったかのように話しかけてきて、また「お金貸して」って言ってくることもしばしば。
日本人のお金の貸し借りの考えとの違い
日本では お金を貸して=その人と縁を切る という覚悟で言うようなことという傾向があります。
ですが、フィリピンでは お金を貸して=富の再分配(神様からの恵み)
持っている人が持たない人を助けることは当たり前。
こういう考え方だから日本と違って気軽に誰にでもお金を貸して(金をちょうだい)というふうに言えるんじゃないかなと思っています。
このあたりはとても根深く難しい問題だと思っています。
でも、うさみにとってお金に対する考え方はとても大切なこと。
ある意味ここを理解し合わないと本当に相手を理解したという風にお前ないことでもあります。
- 孫が病気でお見舞いに行きたい。
- 親のお葬式に行きたいけど帰れない。
- お母さんが病気で薬を買ってあげたい。
- 病気で病院に行きたいけどお金がなくて行けない。
- 仕事でクライアントの支払いが遅れてて明日の生活が厳しい。
お金を貸してほしいという時には、彼らはいろーーーんな理由を言われます。
うさみは、「お金を貸して」と言われるたびに『助けたい』という気持ちと『金の切れ目が縁の切れ目』という思いに悩まされ心がギュッと苦しくなります。
そして、信じて、善意で貸すと返してもらえないという事もザラです。むしろ当たり前です。
ただ、きちんと返してくれる人もいます。
うさみも、ホープ君ママに3回くらい貸したことありますが2週間くらい遅延しながらもきちんとお金が返ってきました。
文化の違いと一言に言えば簡単ですが、その中でも『どうしてそうなったのか』という理由は宗教や育ち方を絡めた観点から見ることができます。
今回はうさみの経験をもとに話をまとめてみました。少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。