うさみ(@usamilife)です!
近頃話題になっている終身雇用制度。これが崩壊するんじゃないか?と言われていますよね。
今回は
- 終身雇用制度の法律
- もし、なくなった時のメリット・デメリット
- 今、自分たちができる対策
を一緒に考えていきましょう。
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最近話題になっている終身雇用制度とは
最近話題になっている終身雇用制度。まずはどういうものか詳しくおさらいしてみましょう。
終身雇用制度は、正社員として雇用した社員を定年退職まで雇用し続ける日本独特の制度です。
これは基本的に正社員に適用され、新卒・中途を問わず雇用され続けることが多いです。ただ、制度と言っても法律や規則で定められているわけではなく、慣習に近いでしょう。
社内規則や雇用契約の中に「終身雇用」が含まれることもあまりなく、その企業が終身雇用を採用しているかを判断する明確な方法はありません。
引用元:BIZHINT
終身雇用制度の法律はあるの?
実は終身雇用制度、法的には存在していない言葉なのです。
ですが、解雇欄要件の法理というのもがあります。
解雇欄要件の法理は、「解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」とし、2003年、労働基準法第18条の2に明文化。
今は2008年(平成20年)3月に施行された労働契約法16条にそのまま移行されています。
これはどういうことかというと…
例えば
会社で働いていたAさんが、(なんの理由もなく)突然解雇され
「これは不当だ!」
「解雇を無効にしろ!」っと裁判で争うとしましょう。
裁判所が「解雇を権利の濫用」と認め、解雇を無効と判決することがあります。
判決を受け、会社はAさんの解雇を無効化し、Aさんはきちんと会社で働くことができます。
このように、日本での雇用は解雇権濫用の法理によって、法的に保護されているといえます。
終身雇用制度が崩壊するとどういうことが起こるのか
解雇権濫用の法理によって、法的に保護されているとは言っても、完全な拘束力があるとは言えません。
企業側に正当性があれば解雇もできるんです。
現に経団連やトヨタの会長が、終身雇用制度の限界を発言しています。
日本自動車工業会の豊田章男会長「雇用をずっと続けている企業、税金をずっと納めている企業に対して、(終身雇用の)インセンティブはあまりない」、「なかなか終身雇用を守っていくのは、難しい局面に入ってきたのではないか」
一方、経団連の中西宏明会長も、「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」、「だめになりそうな事業を、雇用を維持するために残すということをすると、雇用されている方にとって一番不幸」として、終身雇用が転機を迎えているとしている。
引用元:FNNPRIME
もし、終身雇用制度がなくなってしまうとどういうことが起こるのでしょうか?
予想できるメリット・デメリット
1つの制度が変わる時には、いい面もあれば悪い面ももちろんあります。
予想できるメリット・デメリットを考えてみました。
予想できる5つのメリット
- 生産性の低い人に給料を支払わなくてよくなる
- 年齢関係なく優秀な人材に高い賃金を払いやすくなる
- 市場がより流動的になる
- 労働者の競争が激しくなる
- いい条件での転職が見つかりやすくなる(企業が新しい人を採用しやすくなる)
生産性の低い人に給料を支払わなくてよくなる
これは企業側からの視点。
終身雇用制度で今までは、どんな人材でも会社は雇用し続けていました。
ですが、会社にいる「窓際族」と言われるような、会社の利益に貢献しているのかいないのかわからないような人を、会社は解雇をすることができるようになるでしょう。
年齢関係なく優秀な人材に高い賃金を払いやすくなる
会社の利益にならない人を解雇できれば、解雇した分の人件費を会社は他の事に回すことができます。
例えば、優秀な人材に見合った賃金を支払いやすくなります。
今までは賃金が安くて就職してくれないという企業側の悩みが、「これだけ給料を出すから、うちに来て!」という方法をとることができるようになります。
市場がより流動的になる
企業からの求人や雇用が活性化すれば、労働者ももっと自由に就職先を選ぶことができるようになります。
欧米のように、転職するごとに賃金や雇用条件が上がっていく可能性だって十分にあります。
労働者の競争が激しくなる
労働者側も、自分のスキルや能力次第で高賃金を得ることができるので、より一層自分の能力を磨くことに意義のある環境になるといえます。
より良い条件で働くために、労働者も自分の能力を高めていくことが期待できます。
いい条件での転職が見つかりやすくなる(企業が新しい人を採用しやすくなる)
企業側からすれば、優秀な人材であれば高賃金であろうとその分利益につながるので喉から手が出るほどきてほしいです。
なので、いい条件での求人を簡単に見つけることができる可能性が高まります。
転職で給料が下がるのではなく、転職で給料も条件も上がる時代がやってくる可能性が高いです。
ただし、上記の上げたメリットは企業側からのオファーにかなり依存している部分が強いです。
企業側が良い求人を出す、企業側がいい条件を出すことによって市場は活性化はし日本経済もいい方向に進むでしょう。
ですが、企業が出し渋りをして、今の条件のまま終身雇用制度のみがなくなってしまったら…
予想できる5つのデメリット
- 無職が増える
- 貧困層が増える
- 貧富の格差が広がる
- 治安が悪くなる・犯罪が増える
- 労働力を簡単に使い捨てにされる
無職が増える
終身雇用制度の崩壊によって、企業側から「使えないな」と思われると簡単にクビになってしまいます。
そうなると特別なスキルや能力がない人にとっては再就職は困難。
「家族を養わなきゃ」「ご飯を食べていかなきゃ」とひっ迫している人にとってはかなりの打撃です。
労働力を簡単に使い捨てにされる
特別なスキルや能力がない人は単純労働などの簡単な職、安い給料で働くことになってしまう可能性があります。
賃金が上がることはなく、
貧困層が増える
スキルや能力がない人にとっては、今の終身雇用制度は素晴らしい制度です。
会社に行くだけで決まった給料を得ることができるんです。こんな良いことありません。
ですが、終身雇用制度の崩壊で解雇れて、無職になってしまうと、収入が途絶えます。
スキルや能力もないので、いい条件での就職が難しく、日雇いや派遣などの賃金の安い労働を強いられる可能性だってあります。
今までの暮らしが維持できず、生活の質を落とさなくてはいけないなんて人もいるでしょう。
貧富の差が広がる
スキルや能力のない人達は貧困に。逆に言うと能力のある人や経営者などは裕福になっていきます。
優秀な人材によって、企業成績がのび、経営者は役員報酬のUPなどを期待することもできます。
トヨタ自動車が、豊田章男社長ら6人の取締役に対する2019年3月期の役員賞与を前期比2・7%増の総額12億5700万円としたことが14日、分かった。
1人当たり平均は2億950万円
引用元:福井新聞
治安が悪くなる・犯罪が増える
貧富の差が広がると、起こるのは犯罪です。
「お金がないから…」と言ってひっ迫した人は最後には犯罪に手を染めることがよくあります。
スリや窃盗、ひったくりや万引き。
今でも、貧困老人が万引きをして捕まることがあります。「刑務所の中での暮らしのほうがいいから…」と。
社会の制度が整っていない
今まで、終身雇用制度に頼り切っていた日本の社会。
突然明日から、終身雇用制度がなくなってしまうと困ってしまう人はたくさんいます。
そして、日本の社会自体もセーフティーネットや困ってしまった人のための受け窓口が整っていません。
日本のセーフティーネットといえば、生活保護制度。
これも近年は条件がかなり厳しくなっていて、生活保護を受けたくても受けれない人がたくさんいます。
また、個人のスキルを上げようと職業訓練校に行こうとするとしましょう。
いま現状でも職業訓練校の入学の倍率は2〜7倍。通うためにはテストも面接もあります。
これだけの制度では、今後終身雇用制度がなくなったら困る人に対応しきれないのです。
対策:個人の生産性を上げよう
実は、「今後終身雇用制度は崩壊する」と何年も前から言われていること。今に始まったことではありません。
そして、現時点でも終身雇用制度が守られているのは大企業のみと言われていますし、みずほ銀行は約2万人を解雇する、なんて話もありました。
終身雇用制度は崩壊はどんどん進んでいるといってもおかしくない状態にきています。
そういったことを踏まえて、今から自分たちにできることをしておくのはとても大切。
1番は自分の能力やスキルを上げること。
企業にとって喉から手が出るほどほしいような人になれば、職に、お金に困ることはなくなるでしょう。
人生の可能性は無限大。「どうせ私なんて…」なんて自分で自分の可能性を否定しないでいろんなことにチャレンジしてみてください。
やってみてわかることもたくさんあるはず!会社なんかに振り回されずに、あなた自身が本当にやりたいことをやれるような人生になることを心から願っています。